柿を食べると痩せるの?栄養価抜群な柿をダイエットに活かそう!
よくダイエットに向いている食品として、果物類が話題になります。果物は朝食に食べると良いとされていますし、ダイエットに向いている果物としてバナナやリンゴは有名です。
他にもいろいろあるのですが、果物の一つ、柿は「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざもあるぐらい、栄養価が高いと言われています。が、柿は甘みがある為、あまりダイエットと結びつかないと考える人もいるでしょう。
柿で痩せることができるのか、調べてみたいと思います。
ことわざにもあるほど柿は栄養価が高い!どんな栄養が含まれている?
若い人だと聞いたことがないかもしれませんが、このようなことわざがあります。
意味としては、柿が実をつけて赤くなる頃は、気候がよくて病人が減って医者が困ると言うこと。また、秋は柿や蜜柑、柚などが実をつけて色づき秋の食べ物が豊富になるため、病人が減り、その為、医者が手持無沙汰になる、という意味です。
厳密に言えば時節のことわざであり、柿に言及している内容ではありません。しかし、ことわざの舞台となっている季節は秋で、あらゆる食品の栄養価が高くなる時期です。そう見ると、医者も商売にならないほどに、柿も栄養価が高い果物であることには間違いがありません。
ビタミンCはミカンの2倍?体に良いとされる栄養が柿にはたくさん!
では実際に、柿にはどのような栄養素が含まれ、どのように体にいいのかと言うと、多くの人が栄養面から見た柿の良さについてあまり知りません。
まず、柿のカロリーは約60kcal/100g、一般的なサイズで約100~120kcalとなります。
ショートケーキのカロリーは、食品成分表で見ると327kcal/100gです。そうして見ると、柿のカロリーは味のイメージよりも高いわけではないと思います。
ただし、干し柿になるとカロリーは若干高くなります。276kcal/100gですが、干し柿はそもそも1個の重量が生柿よりも軽い為、多く食べてしまいがちです。比較すると干し柿の方が、摂取カロリーが高くなってしまうのは容易にわかると思います。
肝心の柿の栄養素ですが、このようになっています。
柿に含まれる栄養素
食品成分 | 可食部100gあたりの含有量 |
---|---|
たんぱく質(タンニン含) | 0.4g |
ナトリウム | 1mg |
カリウム | 170mg |
カルシウム | 9mg |
マグネシウム | 6mg |
リン | 14mg |
鉄 | 0.2mg |
亜鉛 | 0.1mg |
β-カロテン | 160㎍ |
β-クリプトキサンチン | 500㎍ |
β-カロテン当量 | 420㎍ |
レチノール活性当量 | 35㎍ |
ビタミンB1 | 0.03㎎ |
ビタミンB2 | 0.02㎎ |
ナイアシン | 0.3㎎ |
ビタミンB6 | 0.06㎎ |
葉酸 | 18㎍ |
アストラガリン ※柿の葉茶から |
180mg |
そして、柿に多く含まれている栄養素として注目する成分は、これらになります。
- ビタミンC
含有量はみかんの2倍もあり、1個で一日の必要を補えます。特徴の一つに、抗酸化作用があります。また、コラーゲンを生成する際にも必要ですし、ストレスに対抗するホルモンの分泌にもビタミンCが必要とされています。風邪やインフルエンザの予防などに効果的なのは、もはや誰でも知っていると思います。 - β-カロテン
体内でビタミンAに変換されます。皮膚や粘膜などの上皮細胞の働きを助ける効果があり、不足すると肌がかさついたり荒れたりします。ちなみに干し柿は、生柿の倍以上含まれています。 - β-クリプトキサンチン
ビタミンCと合わせて、強い抗酸化作用が期待できるだけでなく、抗発癌作用もあります。また、免疫力の向上や美肌効果、アンチエイジング老化防止にも一役買っています。 - タンニン
血圧上昇を抑制する効果があるとされています。そして、血液中のコレステロール値を下げてくれる働きもあります。コレステロール値が下がると、体内の中性脂肪も減らせます。
また、柿の独特な渋みの元になっているタンニンの一種、シブオールという成分に、アルコールの悪い作用を抑える効果があるため、二日酔い防止に向いています。
ただ、タンニンは鉄分の吸収を阻害するので、あまり食べると貧血になりやすくなります。 - カリウム
体内のナトリウム吸収を抑制し、排出してくれます。これは、むくみの解消に繋がります。また、タンニンのアルコール吸収抑制作用とカリウムの利尿作用で二日酔いに対してダブルで期待が持てます。このカリウムもβカロテン同様、生柿よりも干し柿の方が豊富に含まれています。 - ペクチン
食物繊維の一種で、柿に含まれるペクチンは水溶性です。食物繊維は整腸作用があり、便秘解消、老廃物の排出でよく知られています。 - アストラガリン
柿の葉に含まれている有効成分で、フラボノイドの一種です。アストラガリンは、血圧を下げる効果があるのですが、柿の葉の場合、抗アレルギー作用も持っているため、煎じて飲むと花粉症が軽減されると言われています。
他にも多く含まれている植物として、ビワの葉、煎茶、ハトムギ、ドクダミ、クマザサなどがあります。
もちろん、どんな野菜もどんな果物も、細かいところまで見れば、ありとあらゆる栄養素が入っていると言えます。ですが、ざっと見ただけでも柿は体に良かったり、大切な栄養素をたくさん持っていると言えます。
柿の成分では痩せられるとはいえない?健康とダイエットは少し違う
柿は、栄養豊富で体にいいというのが一目でわかるような栄養がたくさん詰まっている果物だと言うことが分かったと思います。
しかし、それが痩せたい人には効果があるのか、ということを見た時に、必ずしもダイエット効果が高いと言い切れるものではないと言えそうです。
柿は健康にはいいがダイエットに特化しているとは言えない?
上記であげた栄養成分から見た、柿を食べることによる効果には、このようなものがあります。
柿の成分からわかる効果・効能
- 抗酸化作用
- 抗発癌作用
- 新陳代謝が活発化(老化防止)
- 免疫力向上
- 抗アレルギー作用
- 肌荒れ防止(美肌)
- 血圧上昇の抑制
- 血中のコレステロールを下げる
- アルコールの吸収抑制
- むくみの改善
- 便秘解消
- 皮膚や粘膜の保護
例えば、ビタミンCの量をアピールする時には、レモン○個分の~と説明することが多いと思いますが、柿の場合、よほどレモンよりもたくさん摂取しやすいです。
100gあたり(可食部)の量がどれくらいかを比較してみます。
レモン | みかん | 柿 | |
---|---|---|---|
ビタミンC量 | 50mg | 45mg | 70mg |
1個での量 | 果汁で約2.5個分 | 約80~150g | 約160~200g |
ダイエットを意識するなら生や干し柿よりも柿の葉茶がいい?
もちろん、柿はカロリーが低いということもあり、ダイエットに全く向いていないというわけではありません。
もし、柿をダイエット食品として食べるならば、食事を柿ですませる置き換えダイエットと言う方法を使うのではなく、できれば間食する際にスナック菓子や甘いお菓子のかわりに柿を食べるという形の方が、栄養面の偏りも減らせられます。
ただ、干し柿よりも生柿の方がカロリーは低いので、生で食べる方がダイエット向きと言えます。また、できれば柿の葉茶を飲むのをオススメします。
柿の食べ過ぎは体に良くない!体に及ぼす影響は何がある?
健康にいい面が多い柿ですが、健康に良い成分が入っているからと言って食べ過ぎると、逆に体に良くない症状が出てくる可能性もあります。
実は体を冷やす作用もあります。
体が冷えると代謝が悪くなり、かえって太りやすくなったり、便秘にもなりやすくなります。
タンニンは貧血になりやすい?妊婦は食べ過ぎに要注意!
他にもタンニンですが、鉄分の吸収を妨げる為、食べ過ぎると貧血になる可能性が高くなります。また、コレステロール値を下げると言っても、柿は果糖が多い為、食べ過ぎると場合によっては肥満や糖尿病になる可能性もあります。
貧血や体を冷やすという観点から見ても、特に妊婦は控えた方がいいと言われる食品に違いありません。
全く食べてはいけない、という訳ではありません。体に良い成分も確かに入っているのです。妊婦は特にですが、誰もが食べ過ぎに気をつけましょう、ということです。
柿は痩せるとは言い切れないが体に良い果物に違いはない!
果物はダイエットに向いている食品が多いのは確かですが、糖分の多いものもたくさんあります。
そういう意味でも柿は痩せるとも言えますが、ダイエット効果が高いわけではないのです。
難しいところですが、入っている栄養価を考えると、健康面や美容面も含めて、柿は、体に良い栄養がたくさんあるのは間違いありません。
食べ方によっても栄養の吸収率が変わってくるのは、例えば、ビタミンCは熱に弱いなどというところからもわかると思います。
柿を上手に食べて、健康的に痩せられたら一番いいのではないでしょうか。