ダイエットで不足しがちな栄養素、簡単に食事で補う方法
切実に体重を減らしたいと考えている人にとって、「すぐに痩せられる!」「一週間でマイナス○kg!」などというコトバはとても魅力的で、すぐさま飛びつきたくなりますよね。
時間をかけて必死で努力して、それでも目に見えた効果を感じられないようなダイエットなら無理してやる意味なんかない。短期間で美しく痩せられるなら、それに越したことない!と。
でも、ちょっと待って!
あっという間に体重が落ちて目に見えた効果を実感できるような速攻ダイエットには、実は危険がいっぱいなんです!
余分な脂肪を落とすための筋肉をつければ、より魅力的に痩せられる!
「体重計に乗るたび、確実に体重が減っている!」
ダイエット中の人にとってなによりも嬉しく、ダイエットをつづける励みにもなるのが、「目に見えて実感できる体重の減少」。
たしかに、大抵のダイエットの場合、おもに「体重を減らすこと」に目的がありますから、体重が減らなかったら意味がない、と考える人が多いのはあたりまえ。
もしも、体重が少しも減らなかったら、「このダイエットは自分には合わない」「効き目がない」と他の方法を試したくなるに違いありません。
速効ダイエットで落としているのは不要な脂肪じゃなかった!
脂肪の重さは、骨や筋肉に比べてずっと比重が軽い。軽いけど、ものすご〜くかさばる。これが俗に言う「おデブさん」の正体。
体重はそれほど重くないんだけど、見るからに鈍重そうで太って見える人って案外多いんですよね!
反対に体重は重いけれど、見栄えスッキリ、動きもスマートという人もいるのですが…。
短期間に体重を減らすためには、重量のある骨や筋肉を落とした方が手っ取り早い。軽いけれど、かさばる脂肪は、残念ながら多少減ったところで体重にはあまり影響がないんです。
不要な脂肪がなくなれば体重は減らなくてもスッキリした印象に!
「体重の減少」が数値として目に見えないと、順調にダイエットができている実感が湧かない人がほとんどだと思います。
しかし、きちんとした栄養管理士や、スポーツトレーナーのもとで、健康維持に配慮しながら行われるダイエットは、たとえ数値としての減少はわずかでも、見かけの印象は目に見えて変わってくるもの。
「筋肉ムキムキになると、女性らしさを失いそうでイヤだわ」という方も多いかもしれませんが、多少筋肉がついたくらいではムキムキにはなりませんからご安心を。
ただ痩せればいい。体重が減ればいい、というような乱暴なダイエットではなく、今ある筋肉を維持する、少しだけ筋肉をつけて、痩せやすいカラダにする。
多少体重があってもスッキリ、身のこなしもスマート。そのような健康的なダイエットの方が若々しさを保つことができ、女性も男性も魅力を増すこと請け合いです。
ダイエットの失敗は栄養の取り過ぎより、むしろ栄養不足が原因!?
筋肉を味方につければ、より健康的に美しく痩せられるという話をしました。今ある筋肉をキープ、さらに筋肉量を増やす、そのために必要なのは適度で効果の高い運動と、食事から摂る“栄養素”。
ダイエット中は、とかく食事制限、カロリーダウンすることばかりにとらわれがちですが、この手のダイエットをする人に限って、間違った食事制限をしていることが多いんです。
短期間に一気に体重を落とすダイエットはリバウンドしやすい!
摂取カロリーを大幅に減らした少々過激な食事制限をすれば、たいていの人は一気に体重が落ちていきます。
目に見えて急激に体重が落ちれば、たいていの人は「このダイエット方法は自分に合っている、効果が高い!」と考え、さらにそのダイエット方法に執着するでしょう。しかし、当初ほどスムーズに体重は落ちてはくれません。
思うように体重が落ちないことでストレスが生じ、今度は一気に太る。これが、素人ダイエットの大きな罠。いわゆる「リバウンド」現象です。
どんなに食べ過ぎに注意していてもリバウンドはやってくる!?
ダイエットに失敗し、リバウンドしてしまった人の多くは、食事制限のストレスから過食に走って体重が増加したわけではありません。
過激な食事制限でダイエットしたカラダは、ダイエットする前のカラダに比べ、はるかに栄養を吸収しやすい、つまり太りやすいカラダになってしまうからです。
ダイエットの失敗!リバウンドの原因はナント栄養不足だった!?
ダイエットのために食事制限をすると、ダイエットをする前のカラダに比べ、体内には栄養が足りていないという状況になります。
栄養不足を感知したカラダは生命を維持するために、カラダの中に入ってきたものは、できるだけ効率的に吸収しよう、栄養を逃さないようにしようと余計に頑張ってしまいます。
たとえ、わずかな分量の食事しか口にしていなくても、通常より多く効率的に栄養を吸収しよう、栄養を蓄えようとカラダが頑張るために太ってしまう、リバウンドしてしまうというわけです。
リバウンドの原因は、このような栄養不足にあったわけです。
ダイエットのために欠かせない!積極的に摂りたい4つの栄養素
リバウンドせず、健康的に美しく痩せるには、カラダのために必要不可欠な栄養素を積極的に摂りつづけることが肝要です。
美ボディを目指すために、とくに重要となる栄養素は以下の4つです。
- 鉄分
- ビタミンB群
- 亜鉛
- カルシウム
では、健康的に痩せるために必要不可欠な4つの栄養素、ひとつひとつを詳しく見ていきましょう。
貧血だけじゃない!肩こりもダイエットの失敗も鉄分不足が原因!?
食事制限ダイエットによって、もっとも失われやすい栄養素のひとつが鉄です。
鉄分が不足していることが顕著に分かるのが立ちくらみ、目が回るなどの貧血症状ですね。しかし、鉄分不足によって引き起こされるのは貧血だけではありません。
血液の中に含まれるヘモグロビン生成に一躍買っているのが鉄分。ヘモグロビンはカラダの細胞に酸素を届けるという重要な役割を担っています。
鉄分不足でヘモグロビンが低下してしまうとどうなるのでしょう?カラダの中に十分な酸素が行き渡らなくなってしまいます!
脳に酸素が行き渡らないと、貧血が起きますし、筋肉に酸素が行き渡らなければ肩こりの症状としてあらわれたりします。
また、体内に酸素が行き渡らないことで、基礎代謝も下がってしまいますから、これがダイエットする上での大きな障害となることが少なくありません。
日頃から貧血気味であるなど、慢性的鉄分不足の人はダイエット時には、とくい積極的に鉄分を摂るべきです。
美しさを保つために重要なビタミン、とくにB群はダイエットの味方
美容と健康のために欠かせない栄養素のひとつであるビタミン。ビタミンの入ったジュースや、タブレットを常用している人も少なくないようですね。
鉄に比べて、ビタミンは比較的摂取しやすい栄養素ではありますが、ビタミンと一口に言っても実はさまざまな種類があるんですよ。
にんじんなどに含まれるカロテンから分解されるビタミンA、柑橘に多く含まれるビタミンCがよく知られていますが、ダイエットのために重要なのはなんといってもビタミンB群。
ビタミンB群には以下の種類があります。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- パントテン酸
- 葉酸
- ビオチン
これらビタミンB群は、摂取した食物の代謝を効率的に行ってくれるというありがたいはたらきがあります。食事の際は欠かさず摂りたい栄養素ですね。
骨や筋肉の健康をキープするため欠かせない栄養素、亜鉛&カルシウム
骨と筋肉をすこやかに保つことがダイエットの成功の鍵。そのための役に立つのが亜鉛とカルシウムです。
亜鉛は、タンパク質を合成するはたらきがあるため、筋肉を健康に保つために非常に重要です。また、若さと健康を保つために重要なホルモンのはたらきにも密接に関わります。
カルシウムは、骨や歯を構成する大切な栄養素。骨の健康をキープすることはもちろん、筋肉をすこやかに保つためにも重要な役割を担います。
亜鉛とカルシウムはともに五大栄養素の一種であるミネラル類で、美ボディのために欠かせない栄養素ですが、カラダの中で生成できないため、食物から補う必要があります。
現代人の食習慣の中ではついつい不足しがちなので、食事の際は、亜鉛&カルシウムを含む食品を積極的に食べるようにしましょう。
鉄、ビタミンB群、亜鉛、カルシウムを美味しく摂り目指せ美ボディ!
ただ、やみくもにカロリーダウン、食事制限するだけではダイエットは成功しません。
ダイエットによって不足しがちな栄養素である、鉄、ビタミンB群、亜鉛、カルシウムを積極的に摂ることで、ダイエット効果は飛躍的に高まります。
美しく、健康的に痩せたいなら、まず食生活を見直しましょう。ダイエットのために我慢していた料理、…実は食べた方が、むしろ効率的に痩せる!なんてこともあるかもしれません。
鉄分を効率的に摂取するために、ぜひ食卓に取り入れたい食品
鉄を摂取することで貧血は改善し、ホルモン分泌も活発になるため、生き生きとして肌の血色もよくなります。
冷えやだるさ、疲れやすさといった症状も鉄不足が原因。鉄を摂取することで改善します。鉄分が足りていれば免疫力も高まるので、体調を崩しにくくなります。
鉄を含むタブレットやドリンク剤は薬局などで気軽に求めることができます。また、鉄製のやかんでお湯を沸かして飲むのも鉄分摂取の効果がありますよ。
1日に必要な鉄分の量は以下の通り。
- 成人男性/7mg
- 成人女性(閉経前)/10mg
- 成人女性(閉経後)/6mg
食品に含まれる鉄分量を表にまとめました。参照してみてください。
100gあたりの鉄分量 | 食品 |
---|---|
70mg以上 | こんにゃく、青のり、バジル、タイム |
30mg以上 | あゆ塩焼き、ひじき、セージ、やつめうなぎ、あわび、きくらげ |
10mg以上 | ココア、煎茶、パプリカ、あさり、カレー粉、しじみ、豚レバー、ほたるいか |
6mg以上 | うめ、さば、大豆、そらまめ、ごま、チキンレバー、かつおぶし |
代謝を活性化させるビタミンB群を摂取するために適した食品は?
体内の細胞を活性化させる役割を持つビタミンB群。一種類だけではなく8種類の種類やはたらきの異なるビタミンB群を組み合わせて摂取するのがオススメ。
また、ビタミンB群は神経伝達物質とも深い関わりがあるため、精神的なダメージからの回復や、ここぞというとき、集中力を高めてくれる効果も期待できます。
前向きにダイエットをつづけていくためには、積極的にカラダに取り入れたい栄養素ですね!
以下の表を参考に、毎日の食事から、ビタミンB群を上手に摂取してくださいね。
ビタミンB群の種類 | 食品 |
---|---|
ビタミンB1 | うなぎ、たらこ、ナッツ、豚肉 |
ビタミンB2 | 鶏・豚・牛のレバー、牛乳、うなぎ |
ビタミンB6 | かつお、まぐろ、牛レバー、さんま、バナナ |
ビタミンB12 | 牛・鶏のレバー、牡蠣、さんま、あさり、にしん |
葉酸 | 菜の花、枝豆、ほうれん草、からし菜、鶏・豚・牛のレバー |
ナイアシン | たらこ、かつお、鶏・豚・牛のレバー、びんちょうまぐろ、落花生 |
パントテン酸 | 鶏肉、にじます、子持ちカレイ、納豆、鶏・豚・牛のレバー |
ビオチン | いわし、落花生、タマゴ、にしん、鶏・豚・牛のレバー |
骨や筋肉を健康に保つ亜鉛&カルシウムを食事から無理なく補う!
若い頃の無理なダイエットがたたって、シニア年齢にさしかかる前に骨粗鬆症となり、大なり小なり生活に支障を来してしまうという女性が少なくないようです
女性なら骨格は華奢な方がいいと考える人もあるようですが、骨密度がしっかりしている人は動きがキビキビしていますから、痩せていても動きが鈍重な人より魅力的に見えることは確かですよ。
また、筋肉量がある方が断然代謝がよく、ダイエットの効果が出やすいのです。
今ある筋肉を落とさない、筋肉量の少ない人はある程度の筋肉量をつけることが痩せるための鉄則。
亜鉛を摂取できる食品を表にまとめましたので、ぜひ、積極的に献立に取り入れてみてください!
1日に必要な亜鉛の量は以下の通り。
- 成人男性/10mg
- 成人女性/8mg
100gあたりの亜鉛量 | 食品 |
---|---|
10mg以上 | しおから、パプリカ、牡蠣 |
8mg以上 | スモークレバー、からすみ、まさば |
6mg以上 | 牛肉、ココア、かたくちいわし、パルメザンチーズ |
骨をつよくするカルシウムを多く含む食品は乳製品だけじゃない!
カルシウムを多く含む食品と聞いて乳製品を思い浮かべる人は多いと思います。また、幼児用のおやつやスナック菓子には、カルシウム強化をうたう商品が多いですよね。
サプリメントも多くの製薬会社、健康メーカーからさまざまな商品が販売されています。
牛乳嫌い、乳製品嫌いな人は、サプリメントでカルシウム不足を手軽に補いたい、と考えるかも知れません。
お菓子に入ってるなら、そこから摂ればいいじゃない、と考える人もいるかも?しかし、スナック菓子で必要量のカルシウムを摂取するためにはカロリーが心配!
牛乳や乳製品以上にカルシウムを多く含む食品はたくさんあるので、牛乳、乳製品嫌いの人もぜひ食事から取り入れて健康的にダイエットして欲しいと思います。
1日に必要なカルシウム量は、成人男性、女性ともに650mgほどです。カルシウムを多く含む食品については以下を参照してください。
100gあたりのカルシウム量 | 食品 |
---|---|
7000mg以上 | 干しエビ |
2000mg以上 | かたくちいわし、バジル |
1000mg以上 | 青汁、ごま、えんどうまめ、パセリ、きびなご、ひじき |
650mg以上 | ナチュラルチーズ、昆布、まあじ、わかめ、大豆、わかさぎ、牛乳 |