糖質を抑えてダイエット!高タンパク質食のすすめ
ダイエットには様々な方法がありますが、今回はタンパク質を日々の食事のメインに考える高タンパク質ダイエットについて紹介したいと思います。
高タンパク質の食材として挙げられるのは「肉」「魚」「大豆製品」「チーズ」「卵」などです。これらをメインにし、糖質の含まれる「ご飯」「麺」「砂糖」などを控えます。
食事を変えただけで痩せることはできるのか、食材の選び方やダイエット法について詳しく紹介しますので、参考にしてみてください。
最近目にする糖質オフなどの食品…糖質を抑える意味は?
ビールやパンなどの小麦を原料とした食品に「糖質オフ」と銘打ったものがあります。
みなさんは実際に口にしたことがあるでしょうか。
私は糖質オフというパンがコンビニに売っていたので何度か食べたことがありますが、パンとしての美味しさは変わらず、何が違うんだろう…と不思議に思いました。
こういった食品が流行っているのは理由がありました。
糖質を抑える意味と効果
そもそも糖質とは何か、というと炭水化物に含まれる栄養素です。
炭水化物は、糖質+食物繊維で構成されています。
糖質の働きと言えば、身体のエネルギー源となるもので、体内で消化・吸収後、血液とともに全身をめぐり、1gあたり4kcalのエネルギーとして利用されます。
特に脳では血液中の糖質(ブドウ糖)が主なエネルギー源なので、糖質が不足すると集中できなかったり、ぼーっとすることがあります。
また身体の働きで言うと、糖質が不足した場合、体力の低下や疲れやすくなるといった状態になります。
日々の生活に非常に重要な糖質ですが、糖質を摂ると血糖値がグンと上がります。
血糖値が上がると、インスリンという物質が出て、血糖値を正常な値に下げようとします。
ホルモンの一種で膵臓で作られています。インスリンは血糖の濃度をコントロールするほか、ブドウ糖をグリコーゲンという貯蔵エネルギーに替えて蓄えるなどの働きがあります。
またインスリンは「肥満ホルモン」とも呼ばれていて、脂肪の合成を促進したり、脂肪を蓄える作用もあります。
食事や間食で血糖値が上がると、脂肪を溜め込みやすくなって結果的に肥満につながります。
糖質を制限すると、脳や身体で使うエネルギーが足りなくなるんじゃないか、と思われる方もいるかと思いますが、心配しないでください。
私たちのエネルギー源となっているブドウ糖は、体内でも作ることができるのです。
ブドウ糖を体内で作ることでダイエット効果がアップ!
エネルギー源となるブドウ糖は
①食事から摂る
②体内(肝臓)で作り出す
の2つの方法から得ることができます。
食事からブドウ糖を摂っていると①が優先されますが、食事から得られるブドウ糖の量が少ないと②が活発に行われます。
肝臓でブドウ糖を作る働きを「糖新生」と呼び、この活動にはかなりエネルギーが使われます。
糖新生が盛んに行われるようになると、カロリー消費につながるのです。
糖新生とは、糖でない物質から新たに糖を生み出す仕組みです。
糖新生は主に肝臓で行われており、血糖値(血中グルコース量)が下がった時に新たに糖を作り出すことで、血糖値を維持しています。
糖の新たな原料には主に、アミノ酸とグリセロールが使われます。
糖質制限がダイエットにつながる
先述した通り、糖質を抑えることにより
①インスリンの分泌が減り、脂肪を溜め込みにくくする
②糖新生を活発にさせることにより、アミノ酸やグリセロール(中性脂肪)を原料に糖を作り出す
ということから、ダイエット効果が期待できます。
また、糖新生でブドウ糖を作り出せるので、エネルギー不足になる心配はありません。
その他、高血糖の状態が続くと糖尿病や、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病に罹る可能性もあります。
そういったことを未然に防ぐ意味で、糖質を抑えるということがダイエットと健康な身体への第一歩になります。
糖質オフの食品が流行っているのは、食べてもOKなダイエットということと、近年の健康セルフケアへの関心が高まっていることにあるみたいですね。
健康の為にも高タンパクの食品を食べる
糖質を抑えることで、ダイエットと健康に効果があるということがおわかりいただけたと思いますが、では糖質を抑える代わりに何を食べるのか。
それは「高タンパク」の食品です。
ダイエット中でも身体を構成する主成分のタンパク質はしっかり摂ることが重要です。
お肉や魚はもちろん、乳製品や卵もOKです。ダイエット中でもいろいろな食材が選べるのが嬉しいですよね。
高タンパク質で糖質の少ない食品はたくさんあります。
毎日食べたい!低カロリーで高タンパクな食材
タンパク質の多い食材として挙げられるのは
- 肉類
- 魚類
- 卵
- 乳製品
- 大豆製品
などがあります。
中でも手軽に手に入る高タンパクで糖質の少ない食材を調べてみました。
肉類(100gあたり含有量 タンパク質/糖質/カロリー)
牛すじ肉 | 28.0g/0g/155kcal |
---|---|
牛もも肉 | 20.7g/10.7g/233kcal |
鶏むね肉(皮なし) | 24.4g/0g/116kcal |
鶏ささみ | 23.0g/0g/114kcal |
豚ひれ肉 | 22.0g/0.2g/130kcal |
魚類(100gあたり含有量 タンパク質/糖質/カロリー)
サケ | 22.0g/0.1g/133kcal |
---|---|
マグロ(赤身) | 22.0g/0.1g/93kcal |
アジ | 20.0g/0.2g/126kcal |
タラコ | 24.0g/0.5g/140kcal |
タコ | 16.0g/0.1g/76kcal |
卵(1個あたり含有量 タンパク質/糖質/カロリー)
全卵 | 7.0g/0.2g/91kcal |
---|
乳製品(100gあたり含有量 タンパク質/糖質/カロリー)
パルメザンチーズ | 44.0g/1.9g/475kcal |
---|---|
プロセスチーズ | 23.g/1.5g/339kcal |
カッテージチーズ | 13.0g/1.9g/105kcal |
ヨーグルト | 4.0g/15.0g/62kcal |
牛乳 | 3.0g/4.8g/67kcal |
大豆製品(100gあたり含有量 タンパク質/糖質/カロリー)
大豆 | 13.0g/7.0g/140kcal |
---|---|
豆腐 | 5.0g/1.2g/56kcal |
油揚げ | 23.0g/1.4g/410kcal |
チーズは高タンパクですが、カロリーも高いので、食べすぎには注意が必要です。
高タンパク質食の摂り方
糖質の摂取を抑えることで、脂肪が燃焼しやすい状態になっています。
ここでタンパク質を摂り運動をすれば、脂肪燃焼+筋肉もしっかり作られます。
さて、タンパク質食の摂り方ですが、普段の食事で炭水化物や糖質の含まれる食材を避け、高タンパクの食事をする、これだけです。
一日のタンパク質の推定必要量は以下の通りです。
成人男性 | 50g |
---|---|
成人女性 | 40g |
先述した表の食材を参考にして、一日の目安量のタンパク質をしっかり摂るようにしましょう。
一日一食からタンパク質食におきかえてみましょう
一日三食食事を摂る方は、どこか一食をタンパク質食におきかえてみましょう。
おすすめは夕食です。
朝・昼は脳や身体を活動させる時間なので、炭水化物を摂っても消費されやすいからです。
ただし
- 人参
- じゃがいも
- 玉ねぎ
などは糖質が多いので、控えた方が良さそうです。
一日一食のおきかえが慣れてきたら、昼食もおきかえて、ダイエット効果を高めていきましょう。
間食がしたくなった時は、少量のナッツやチーズがおすすめです。
高タンパク質食の注意点
糖質以外食べてもOKだからと言って、タンパク質を過剰摂取すると、身体に負担がかかることがあります。
内臓の不調
タンパク質を過剰摂取すると内臓に負担がかかります。
まずお通じです。タンパク質を摂りすぎると、腸内細菌のバランスが崩れ、便秘を起こす可能性があります。
さらに、吸収されず過剰になったタンパク質は、肝臓と腎臓で最終的に尿に変換されるのですが、タンパク質の摂取量が多いとその分肝臓と腎臓がたくさん働くことになり、内臓疲労につながります。
尿路結石
尿路結石とは、尿管の中で石のようなかたまりができ、尿管を詰まらせる病気です。男女比では2.4:1となっています。
肉などの動物性タンパク質を摂ると身体の中でシュウ酸や尿酸などの物質が増加します。
シュウ酸はカルシウムと結合しやすい性質で、腸で吸収しきれなかったシュウ酸は尿として排泄されます。
シュウ酸が尿中に含まれるカルシウムと結合すると、結石の原因となることがあります。
カロリーも過剰に
卵や乳製品、大豆製品は、高タンパクでもカロリーの高い食品が多いです。
ダイエットを目的にしてるのであれば、ある程度カロリーも気にして食事を摂りましょう。
無理せず始めて健康に!
糖質を抑えてタンパク質を摂ることでダイエット効果が期待できますが、ほかにも
- 血糖値の急激な上昇&下降がないので、食後眠くなりにくい
- 糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の予防
- タンパク質の摂取でやる気や集中力がアップ!
などの嬉しい効果がたくさんあります。
まずはエネルギーをあまり必要としない、夕食からタンパク質食に切り替えることをおすすめします。
慣れてくると体重だけでなく、普段の体調も良くなりますので、ダイエットがなかなか続かない…という方もぜひ一日一食の切り替えから挑戦してみてください。