女性が「こうなりたい!」と願う理想の体型は医学的には痩せすぎ

高度成長期を経て物質的にとても豊かになった日本。ファストフードやスナック菓子やスイーツ、清涼飲料など、嗜好食品が小さな子どもたちにも手軽に、しかも安価に入手できます。

一日三食じゅうぶんな量の食事が与えられた上、街中にそのようなジャンクフードの誘惑があるとすれば、ついつい手が伸び、栄養過多になるのは目に見えていますよね。

食生活が豊かになればなるほどダイエットへの関心が高まるのは当然のこと。ドラッグストアのダイエットコーナーの商品の充実ぶり、ファッション誌やインターネットを開けばダイエットモニター募集の宣伝ばかりです。

誰より細く選ばれる私へ!女性の願望が生み出した“シンデレラ体重”

ちょっと太り気味だったり、医師から体重を減らすよう指導を受けている肥満度の高い人より、傍目からは「普通じゃない?」「痩せている方だよ」と思える人の方がむしろダイエットに熱心であるような逆転現象?も起きていたりします。

一部女性たちが近づこうと必死に努力する“シンデレラ体重”なるもの

「シンデレラ体重」なるものをご存じですか?諸説ありますが、コトバとしては某大手エステティックサロンが広めた、という説が有力です。

コトバとしては、と前置きしたのは、このコトバが知られはじめた当時(20年ほど前と言われています)、その大手エステティックサロンが「女性が美しくみえる」とした体重より、いま現在、若い世代の一部が「それくらいの細さになりたい」と憧れるシンデレラ体重の方がはるかに「軽い」からです。

シンデレラ、というコトバの響きから、「数多いる女性の中から、自分だけが王子様に選ばれる(ほど美しい)」というイメージがありそうだ、ということは容易に想像がつきますよね。

つまり、「そこらへんの一般女性の体重より、はるかに軽いのがシンデレラ(王子様に選ばれる女性)」なのだ、というわけです。

シンデレラ体重より、もっと軽い体重基準があるって本当!?

では、シンデレラ体重が一般女性と比べてどれだけ軽いのか、見てみようと思います。

重い方から軽い方へ、簡単な式にしてみると、こんな感じです。

適正体重(重)>(軽)美容体重(重)>(軽)シンデレラ体重(重)>(軽)モデル体重(重)

そう!シンデレラ体重よりさらに軽い“モデル体重”なんてものもあるんですよ。

シンデレラ、モデル体重を知る前にまず、医師推奨の適正体重を知ろう

式でいうところの、いちばん左。この式の中ではいちばん重いということになりますが、これが日本医師会推奨の“適正体重”。

痩せ過ぎても、太り過ぎても、健康的とは言えません。病気を寄せ付けずもっとも元気に過ごせる、とされるのがこの適正体重です。

実際に適正体重を求めてみましょう。適正体重を求める公式は次の通り。

身長(メートル)×身長(メートル)×22(BMI)

数字のあとに記されたBMIとはBody Mass Indexの略称で、日本語では「肥満度数」と呼ばれています。

日本肥満学会によると肥満度数(BMI値)18.5〜25の範囲内が適正範囲内で、22はそのちょうどど真ん中の数値となるわけです。

では、わかりやすく、身長160cmの人で計算してみましょう。

1.6×1.6×22=56.32kg

となります。

医師が推奨する適正体重を保てばよい、というわけにいかない日本女性

「160cmで56kg?そんなに体重があったら、ただのデブじゃない?」そう思われた女性がほとんどだと思います。

マスコミ出演も多い著名な医師は、常日頃「ややぽっちゃりこそ理想的なカラダ」と公言して憚りませんが、前項で紹介した適正体重を求める公式にあてはめた、そのあたりの数値の体重だと、ほとんどの方がややぽっちゃり、と言われる体型になりそうです。

BMI値18.5〜25で計算すると適正体重には大きな幅がある!

前項でも述べたように日本肥満学会によれば、BMI値は18.5〜25未満で適正の範疇内とされています。160cmの人で考えてみると、適正体重の範疇にあるのは、軽い方で47.36kg、重い方で64kgとものすごく幅があるのです。

ど真ん中の22というBMI値が、概念的には痩せでも、デブでもない、ちょうどよい体重という理屈なわけです。

詳しくは次の表を参考にして下さい。

日本肥満学会による成人のBMI値判定基準

BMI数値 概要
18.5未満 痩せすぎ
18.5〜25未満 適正
25〜30 肥満度1
30〜35未満 肥満度2
35〜40未満 肥満度3
40以上 肥満度4

適正体重のど真ん中では「重い!」と感じる人のための“美容体重”

先ほども述べたように、医師推奨の適正体重ど真ん中の数値では、現代女性には「なんかデブ」と感じられるわけです。

一般的には「ややぽっちゃり」の範疇のようですが、ぽっちゃり好みの異性もいるとして、でもやはり「もう少し細くありたい」と考えるのが乙女心かもしれません。

そこで出てくるのが、“美容体重”。美容体重は一般的に「洋服をキレイに着こなせる体重」ということになっています。

次は美容体重の数値を求めてみましょう。

洋服をキレイに着こなすために“美容体重”を目指してみる!

美容体重はBMI値20として計算します。適正体重を求める公式のBMI値を20にして計算してみましょう。つまり適正体重範囲内のど真ん中よりやや軽めの体重ということになります。

身長(メートル)×身長(メートル)×20(BMI)

先ほど同様、わかりやすく、身長160cmの人で計算してみると、

1.6×1.6×20=51.2kg

となります。数値を2変えただけで、体重は5kgも軽くなりました。

王子様に選ばれたい女性たちがダイエットに挑む?シンデレラ体重

では、いよいよシンデレラ体重を求めてみましょう。先ほど求めた美容体重に0.9をかけたもの、というのがひとつめ。

身長(メートル)×身長(メートル)×20(BMI)×0.9

今度も身長160cmの人で計算してみます。

1.6×1.6×20×0.9=46.08

という答えが出ました。ずいぶん軽いですね!

シンデレラ体重を求めるもうひとつの公式で分かったこと

もうひとつの計算式は、 BMI値を18にして計算する方法。BMI18.5未満まで、とされる適正体重の範囲を下回り、痩せすぎの範疇になってしまいます。

また、同じように160cmの人で計算してみましょう。

1.6×1.6×18=46.08kg

前の数式と同じ結果が出ました。

シンデレラ体重は適正体重の大きな幅の下方をさらに下回る、相当軽い体重ということが分かりました。

各人の体型を考えてみたとき、適正・シンデレラ体重概念は変化する

シンデレラ体重、間違いなく医師は推奨しないだろうな、と気づいたところで、残るもうひとつ、モデル体重を求めたいと思います。

これはBMI値を17にして計算するのだとか。

1.6×1.6×17=43.52kg

ビックリするほど軽いですね!たしかにモデル体重と言われているだけあります。

かつてモデルもされていた人気女優は身長が160cm以上あるにも関わらず、体重は30kg台なのだとか!モデル体重を大きく割りきってナント! BMI値は15以下だそうですよ!

痩せか?デブか?印象はBMI値ではなく体つきによって違ってくる

「たしかにあの女優さん、か細くて華奢なカラダつきだけど、そこまで体重が軽かったら、ガリガリで病的なんじゃないの?」

テレビは横長に膨張して見えるので実際のご本人を見るより、ふっくら見えるということは確かにあるかもしれません。

テレビで活躍するポッチャリした印象のタレントが、実際に会ったら驚くほど華奢だった、なんて話はよく聞きます。

モデルもしていた背もそこそこある女優さんが、BMI15という低体重であるにも関わらず、ガリガリではなく、華奢に見えるということ。もちろん、テレビの膨張という理由もありますが、もうひとつ、とっておきのお話をお伝えしましょう。

まったく同じ身長なのに背が違うように見えるという現象

2人はまったく同じ身長であるにも関わらず、ひとりはスラリと背が高く見え、ひとりは小さくかわいらしく見える。

「体重の問題じゃない?」と考える人が多いと思います。「背が高く見える人は体重が軽く、太く見える人は体重が重い」。実はまったく逆なのです。

背の高く見える人の体重はBMI値22弱。ほぼ医師の推奨する適正体重でした。一般的には「ややぽっちゃり」と考えられる体重です。

反対に低く見える方は、BMI値18ちょっと。痩せすぎの範疇に入ってしまう体重です。

BMI値にとらわれすぎていると魅力的な体型をキープできない!

適正体重で本来ならややぽっちゃりの範疇に入るところなのに、実際よりスラリと背が高く見える人。この人は、体重の増減が非常に激しいそうです。理由はBMI値にこだわり必死でダイエットをし、挙げ句リバウンドを繰り返すから。

小柄に見える人は「体重なんて気にしたことない」と言います。小学生から大人になるまでずっと同じ体重をキープしているのだそうです。どちらかと言えば痩せすぎの体重のはずですが、むしろふっくらして見えます。

なぜか?前者は頭が小さく、肩幅が広い。手足も長いのです。後者はその逆。顔が大きく、肩幅が狭く、なで肩。手足は短めです。

もし、顔が大きく、手足の短い後者が適正体重まで太ってしまったらどうでしょう?言うまでもなく、ものすごくデブ!という印象になると思います。

反対に前者がBMI値18を切ったら?ガリガリで不健康な印象になることは目に見えていますね。

BMI値にとらわれすぎていると魅力的な体型をキープできない!

先ほど例で挙げた人気女優さんは、顔も小さいですし、手足も長いです。しかし、その身長にして肩幅が狭く骨格が華奢なのです。骨が細い分、体重が軽くてもガリガリな印象にならないのですね。

前項で紹介した身長より小柄に見える人も華奢な骨格をしています。骨は筋肉同様重いものですから、骨が細い分、体重が軽いとも言えます。

肩幅のある人は当然ながらガッチリした骨格をしています。骨がしっかりしていれば、それなりに重いのは納得ですし、ある程度体重が増えても見かけ上、太ったようには見えないのですから、魅力的でお得な体型と言えるでしょう。

20年前、30年前の日本人は、頭が大きく、手足が短い、4頭身のタイプが多かったのですが、最近の若い世代は、顔が小さく手足が長い、この前者の方の体型に近くなっています。ムリなダイエットをして体重を減らさなくても魅力的な体型をキープできるというわけです。

ですから、どうぞ、みなさん、くれぐれも体重の幻想に惑わされないで下さい。

自身が魅力的に見え、健康的に楽しく過ごせる体重、それこそがあたらしいシンデレラ体重かもしれません!

自分が自分自身がいちばん輝ける魅力的なボディなら、異性から選ばれるのをただ指をくわえて待ってなんかいないで、自分からどんどんアプローチしに出かけていったって全然いいんですよ?

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