どっちがダイエットにいいの?筋トレと有酸素運動の意外な関係

有酸素運動がんばってるのに、ちっとも体が引き締まらない!あるいは、腹筋やってるのに下腹のお肉が全然減らない…なんて悩んでる方はいらっしゃいませんか?

一般的に有酸素運動は脂肪を燃焼するといい、筋トレは代謝を上げて太りにくくするといいますが、実際のところ、ダイエットにはどちらがより効率的なのか、向いているのかって考える方もいらっしゃるでしょう。

実は、有酸素運動も筋トレも、どちらが片方だけがダイエットに向いている訳ではなく、両方が必要になります。「どっちか」だけじゃ足りない、有酸素運動と筋トレの意外な関係を、今回は紐解いてみましょう。

有酸素運動はどうやって脂肪を燃焼するの?

有酸素運動は脂肪を燃焼する運動だといいますが、具体的にはどういうメカニズムで脂肪を燃焼するのでしょうか。筋トレとの比較前に、有酸素運動の基礎をチェックしておきましょう。

体への中程度の負荷の運動で脂肪を燃焼させる「有酸素運動」

有酸素運動は、体に対して軽度~中程度の運動を行なうことによって、酸素を消費して糖質や脂肪酸を燃焼させる運動のことをいいます。

軽度~中程度とは、心拍数が高くなり過ぎない運動のことで、目安となる心拍数は次の式で求められます。

有酸素運動の目標心拍数 = (220-年齢-安静時の心拍数)×50~70%+安静時の心拍数

例えば、30歳女性で安静時心拍数が60の方だと、心拍数125~151ほどになる運動が有酸素運動に適しているということですね。少しだけ息がはずむけど、辛くない程度の運動が適しています。

有酸素運動ではミトコンドリアが脂肪酸を燃焼させている

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有酸素運動では、運動のエネルギーを得るために、筋肉の中に存在するミトコンドリアが、クエン酸回路(TCA回路)という反応で酸素を使って、糖と脂肪酸を分解し、エネルギーを生み出しています。

この運動エネルギーを得るために、糖と脂肪酸を分解している行為が、有酸素運動における「脂肪を燃焼している」という状態です。

TCA回路は酸素を利用して起こす反応なので、あまりにも負荷の高い運動を行なうと、呼吸による酸素の供給が間に合わず、TCA回路がうまく反応できず、無酸素運動になって、脂肪燃焼がうまくいかない場合があります。

この負荷の程度は、前述の心拍数が、有酸素運動に適した心拍数を超えると運動強度が高すぎるということになるので、参考にしてください。

効率的に脂肪燃焼されるのは運動20分後から

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有酸素運動の目安運動時間は、20分以上から、という風によく耳にすると思います。

実は、有酸素運動は時間に関わらず、糖と脂肪酸の両方を燃焼させているのですが、上のグラフのように、その割合が初めは糖の燃焼率の方が高いです。というのも、TCA回路では血中に流れるブドウ糖を優先して分解されるからです。

20分程度有酸素運動を行なうと、血中のブドウ糖の濃度が低くなり、TCA回路で消費される脂肪酸の率が高まります。このため、有酸素運動の開始から20分後以降から脂肪酸の分解が効率的に行われるのです。

有酸素運動は、5分でも10分でも、多少は脂肪を燃焼させますが、20分後以降がより効率的に脂肪燃焼させてくれるということを、頭に留めておいておくと良いでしょう。

ちなみに、有酸素運動での脂肪の燃焼は、内臓脂肪から燃焼が始まり、内臓脂肪がなくなった時点でやっと皮下脂肪への燃焼に移ります。

有酸素運動を長期間続けても、なかなか皮下脂肪が落ちないのは、内臓脂肪の燃焼に時間がかかるからなんですね。

筋トレが代謝を上げてくれるのは本当?何故痩せるのに必要?

筋肉トレーニング、通称筋トレは、男性が体を鍛えるために行なうイメージが強いものですが、女性ももちろんダイエットに欠かせません。ダイエットにおいて、筋トレはどういう意味をもつんでしょうか。

筋肉の代謝が基礎代謝の中で大きなウェイトを占めている

1日のうち、何もしなくてもカロリーを消費できるという必要最低限のカロリーを、基礎代謝といいます。この基礎代謝は、人間が1日活動する中で消費されるカロリーの、およそ60~70%を占めていると言われています。

基礎代謝の中でも、筋肉の基礎代謝の消費量は、基礎代謝全体の4割り程度を占めています。存在するだけで代謝でカロリーを消費する筋肉を鍛えて増やせば、多少おやつを食べ過ぎても、太りにくいのでは!?と期待を寄せてしまいますよね。

筋トレを行って、筋肉を増やせば、それだけ基礎代謝が増えて、太りにくくなる、というのが筋トレの基本的な考え方です。

ところが、筋肉を1kg増やして得られる基礎代謝の上昇は、10~50kcal程度だと言われています。食べ物に換算すると、飴玉1個~ポテチ3枚程度でしかありません。

1kgっていうと、かなりの筋肉量に思えるでしょうが、実は見た目にはあまり変わらない量です。そして、10~50kcalしか変わらないと言っても、これは飽くまで基礎代謝の数値だけのこと。

基礎代謝は何もしていなくても消費される代謝量なので、筋トレなどの積極的な筋肉運動に限らず、歩いたりなどの日常生活における運動での筋肉の代謝量も上がるので、増える代謝量は10~50kcalよりも多くなります。

おやつを食べ過ぎてもいいかと言えば、疑問ですが、筋肉が多少増えれば、普段通りの食事でも太りにくくなるのは頷けますね。

腹筋では代謝量の劇的増加は見込めない?

筋肉は体全体にありますが、鍛える場所によっては、筋肉があまりつかなかったり、筋肉のサイズが小さかったりして、思うように代謝量が上がらない、というケースもあります。

ダイエットにおいて、引き締めたいと筋トレを行われる場所は、腹筋が一番多いのではないでしょうか。実は、体全体から見ると、腹筋はあまり大きな筋肉ではなく、代謝量の増量もさほど見込めません。

代謝量だけの観点で言えば、太ももの大腿筋や、背筋などの比較的大きな筋肉をを鍛えるのが理想でしょう。

ただし、ダイエットの観点では、体重を下げることもさることながら、見た目をスリムにする、という目的も重要です。

ボディーラインは、骨格と筋肉、その上に乗る脂肪などの肉で作られていますが、もしお腹まわりの脂肪が減ってサイズダウンしても、皮はたるんだままで、綺麗なシルエットにはなりません。

たるんだ皮は残念ながらほとんど縮みませんが、その下の筋肉を鍛えることによって突っ張ることができるので、綺麗なお腹のラインを作るためには、腹筋を鍛えておくことは必要不可欠になります。

また、お腹まわりの皮下脂肪が少なくても、内臓周りの筋肉がないと、内臓が下に下がり、下腹の出たぽっこりお腹になってしまいます。筋肉量の少ない女性に、特に多い状態ですね。

この内臓の下がりによるぽっこりお腹を解消するためには、大腰筋などの内臓周りの筋肉を鍛えて、内臓を正しい位置にとどめてやることが必要になります。

このように、腹筋は代謝量の観点ではあまり見込みがありませんが、皮の引き締め、内臓によるぽっこりお腹の改善の観点から、筋トレが必要になります。

筋肉が増えなくても筋トレで代謝が上がる!?

筋トレによって、筋肉を増やして基礎代謝量を上げることも確かに重要ですが、実は筋トレによるダイエット効果は、筋肉を増やすことよりも、「筋トレを行なうこと」そのものに実は意味があります。

筋トレを行なうと、体には成長ホルモンというホルモンが分泌されます。このホルモンは、次のような効果があります。

  • 疲労感解消
  • やる気・集中力UP
  • 筋肉増加・維持
  • 脂肪分解(代謝)の促進
  • 糖新生の促進
  • 骨の強化

このようにたくさんの効果がありますが、特に重要なのは、筋肉の増加と脂肪分解の促進ですね。

そして、筋トレを行なうことによって、アドレナリンとノルアドレナリンというホルモンも同時に分泌されます。こちらは、それぞれ、糖と脂肪の血中の濃度を上げる作用があります。

つまり、筋トレは行なうだけで、その時に筋肉がつかなくても、脂肪燃焼をしやすい環境を作ってくれるということなんですね。

ちなみに、筋トレによって成長ホルモンが分泌されるには、大きな筋肉に強い負荷をかけることが重要なので、大腿筋やその内側の内転筋を鍛えるのをお勧めします。

成長ホルモンによる脂肪燃焼効果は、最大48時間持続すると言われています。

有酸素運動だけ・筋トレだけじゃダメ!?

筋トレも有酸素運動も、単体でダイエットに有用な効果をもたらしますが、どちらが優れている、ということはありません。両方がそれぞれを補い合っています。その理由を確認しましょう。

有酸素運動の効率UPには筋力UPが不可欠!

有酸素運動は、ミトコンドリアのTCA回路の反応を利用していますが、ミトコンドリアは筋肉中に存在するので、筋肉が必要不可欠です。

女性が有酸素運動だけしていてもなかなか痩せにくいのは、相対的に筋肉が少ないためにミトコンドリアの総量が少ないからなんですね。

有酸素運動は、軽度~中程度の運動になるので、筋肉にかかる負荷は低く、筋トレのように筋肉を育てることはなかなかできません。このため、有酸素運動を効果的に行なうには、筋トレが必要なんですね。

逆から見ると、筋トレによって筋肉は増えますが、重度の負荷による筋トレでは、実はミトコンドリアはあまり増えません。ミトコンドリアの量は、筋肉だけを増やしても、なかなか劇的には増えません。

というのも、筋トレの無酸素運動では、ミトコンドリアによるTCA回路は働かず、ミトコンドリアの活躍の場がほとんどないからです。

筋肉中のミトコンドリアを増やすには、筋肉に軽い負荷をかけ、ミトコンドリアをフル回転させて、体にもっとミトコンドリアが必要だと思わせてやる必要があります。

ここで、有酸素運動について、次のような記述があります。

有酸素運動は酸素を取り込みながら行なう運動で、糖や脂質を燃焼させる効果があります。ミトコンドリアを多く含む赤い筋肉を鍛え、ミトコンドリアの量を増やし、その機能も改善します。

引用元:みやはら医院

つまり、有酸素運動でミトコンドリアを活性化することによって、ミトコンドリアは増えていくのです。

筋トレで筋肉を増やし、有酸素運動でミトコンドリアを増やすることで、より効果的に脂肪燃焼を行えるようになるんですね。

筋トレの後に有酸素運動を行なうのが効果的!

筋トレを行なうと、アドレナリン、ノルアドレナリン、成長ホルモンの3つのホルモンが分泌されます。これによって、血中の糖と脂肪が増え、脂肪燃焼が促進されます。

ただし、血中の糖と脂肪が増えただけの状態では、使用されないまま体をめぐり、いずれ再び血中から体へ取り込まれて、再び肉へと貯蔵されてしまいます。

このため、筋トレで血中に糖と脂肪が増えたら、すみやかにそれを分解してやることが必要です。血中の糖と脂肪を分解すると言えば、有酸素運動です。筋トレの後に有酸素運動を行なうと、筋トレによって血中に放出された糖と脂肪が分解され、燃焼されやすくなるんですね。

筋トレ単体でも脂肪燃焼は行われますが、有酸素運動を加えることにより効果がUPします。有酸素運動単体で行なうよりも、筋トレとセットで行なうことによって血中に糖と脂肪が満ちているので、素早く脂肪燃焼につながるという訳です。

ただし、筋トレと有酸素運動のセットは、必ず筋トレを先に行なう必要があります。有酸素運動を行った後に、筋トレを行なうと脂肪燃焼に効果の高い、成長ホルモンの分泌が下がるというデータがあります。

グラフのように、無酸素運動(筋トレ)の後に有酸素運動を行なう場合には、成長ホルモンの分泌はほとんど変わらないのに、有酸素運動の後に筋トレを行っても、成長ホルモンがほとんど分泌されていないのです。

このように有酸素運動は必ず筋トレの後に行なう必要があります。

ダイエットには筋トレと有酸素運動を両方やるのが効果的!

筋トレと有酸素運動の関係は、どうでしたか?筋トレ単体、有酸素運動単体でも、ダイエットはできますが、どちらがより優れていて、どちらかが劣る、ということはありません。

効果的に脂肪燃焼をして痩せたい場合、特に筋肉の少ない女性の場合は、筋トレで筋肉を増やした上で有酸素運動を行なうのが効果的です。

また、筋肉量が充分な場合でも、筋トレを行なうことによって分泌されるホルモン効果で、その後に行なう有酸素運動は脂肪燃焼効果がより高まります。

このように、筋トレと有酸素運動はセットで行なうことが理想なのです。別に意外、とは思えませんでしたか?どちらかだけをダイエットに取り入れている人も、これから始める人も、ぜひ2つをセットにして行ってみてくださいね。

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