下剤を飲んで痩せるのは危険!それって過食症の兆候かも
運動をしたりカロリー制限をしたり体を矯正するなど、世の中にはいろいろなダイエット方法があり、若い女性を中心にいくつものダイエット方法にチャレンジをしている人は多くいます。
それらの中で、下剤を使って痩せるという方法があります。これは市販で売られている下剤を飲むことによって痩せるという方法です。
しかし、本来の目的と違った使い方で下剤を飲むことで過食を招くなどのリスクがあり、あまりオススメできるダイエット方法ではありません。
どんなリスクがあり、どうしてオススメできないのか、その理由をお伝えします。
痩せることは可能だがこんなやり方はいいの?下剤でのダイエットとは
女性ならば誰しも関心が高いのは、ダイエットです。例えば体重の数字的にも確かに痩せた方がいいだろう人もそう痩せなくてもいいのにと言う人も含めて、多くの女性がそうだと言えます。当然、いろいろな人がいる分、ダイエット方法も多種多様です。
そんなダイエットですが、その様々な方法に中に下剤を使ったダイエット法があり、すぐに痩せることができるため、特に若い女性の中では、手軽に始める人もいます。
痩せるために下剤を飲む!そんなダイエット方法が確かにある
いろいろあるダイエット方法の中では効果がわかりやすい為、下剤を使ったダイエットを試してみる女性は結構います。
一般的な食事を調整したり運動するダイエット方法とは違って、手軽に行えるダイエット方法の一つ。下剤は便秘を解消するというよりも、食べ物を消化する前に食べたものを排出する為に使われる。ある程度の効果もあることから常習化し、依存する人も少なくありません。
下剤はそもそも、便秘でどうしても排便が上手くいかずに困った時の最終手段的に使われる薬です。
便秘によって腸内に留まっている便を排泄させる為の薬。腸内の水分を集めて膨らませて腸を動かすタイプ、腸を刺激して促すタイプ、自律神経に作用するタイプなどいろいろありますが、どちらにしても本来は便が上手く排出できない場合に使われるものです。
下剤の効きは人や薬の種類により多少なりとも効きは違いますが、多くの場合、即効性があるタイプがすぐに痩せられ、また購入も難しくないため、手軽に始める人もいます。
本来は便秘用の薬だが下剤ダイエットによる効果はある?
下剤を使ったダイエット方法は確かに最初にお腹に溜まった便を出し、見た目がぽっこりとしていたお腹がペッチャンコになるなど、実際に痩せることも可能で効果があるように感じます。
下剤によって痩せようと思う人は、下剤を飲むことを良しとしてしまいます。特に、食べ物を口にしてすぐに下剤を利用することにより、食べ物を外に出してしまえば、栄養が消化吸収されずにすみます。
その為に、(良い悪いは別にして)痩せられるということは確かにあるでしょう。
当然、見た目もスリムになるので、周りも「痩せたね。」と評価してくれます。痩せること=(イコール)良いこととは限りませんが、痩せた方が美しいという世間の評価があるのも事実です。方法はともかく、ダイエットとして下剤を使いたいという人がいても不思議ではありません。
下剤は体を蝕む!下剤によるダイエットの問題点はいろいろある
下剤によってダイエットをすると効果が眼に見えやすい為、一見メリットがあるようにも思いますが、そうそういいことばかりではありません。それ以上と言っても過言ではないぐらいには、リスクは大きなものと言えます。
下剤を飲むリスク
- 老けて見えるようになる。
- 腹痛が常に起こる。
- 体調を崩す。
- 食欲が過剰になる。
(過食になる。) - 胃腸を傷める。
- 飲む量がエスカレートしていく。
(依存症になる。) - 下剤がないと排便ができなくなる。
下剤によるダイエットは、当然栄養がきちんと吸収されていない状況になるので、痩せると言っても不健康に痩せることになり、体調不良に陥ります。
その為、一見痩せて綺麗になったように見えるかもしれませんが、体調不良から老けて見えるようにもなってきます。本末転倒と言えます。
下剤には、腹痛を伴うものも多いのですが、この腹痛が頻繁に起こるようになり、外にも出られなくなります。
特に問題なのが下剤に依存するようになること!飲む量が増えていく?
これは、最初の量だと体が慣れて薬が効かなくなってくるからです。要は、腸の機能が低下いしていき、より強い刺激がないと動かなくなってしまうのです。
このように下剤でも特に問題なのは、腸を刺激するタイプでしょう。全部ではないでしょうが、やはり常習性を持ってしまうことは多いようです。
下剤によって腸が真っ黒?大腸メラノーシスになる可能性がある
元々下剤は便秘の人の為の薬で、もちろん便秘の人も同じように飲み過ぎたり続けすぎると出てくる症状なのですが、その症状として知られているのに「大腸メラノーシス」があります。
アントラキノン系(アロエ、センナ、カスカラ、ダイオウなどの植物に含まれている成分)の大腸刺激性の下剤を長期間に渡って飲み続けると、大腸の粘膜が黒っぽくなること。市販品として多く出回っている下剤は、この刺激性の場合が多いので要注意です。
大腸メラノーシスの腸が黒くなるという説明でも、それのどこがいけないのか、と思う人もいるでしょう。
もちろん、先の説明にあった腸の機能低下もそうですし(だからこそ依存しないといけなくなるのですが)、まだ明確ではないのですが、大腸がんとの関係も少なからずあるという専門家の意見もあります。
大腸メラノーシスは、それこそ便秘体質の方の下剤服用が常態化しての問題点として挙げられることが多いのですが、ダイエットの手段として下剤を飲む場合、同様の問題が起こるのは考えなくてもわかると思います。
下剤ダイエットから過食に陥ることもある!摂食障害になったら危険
また、食べても体重や体型に反映されないので、たくさん食べても大丈夫だと勘違いして、過食に走ることになります。
これはメリットにはなりません。いわゆる、摂食障害になります。
そもそも食欲が過剰になるのは精神的な問題もありますし、下剤で胃腸を空にすれば、体の本能として食べ物を欲します。特に下剤を常態的に服用していれば、当然お腹は全くの空っぽ。体が食べ物を異常に欲するのも当然です。
しかし、食べるとその行為そのものに罪悪感を持つようになり、やはりまた下剤を使って食べたものの消化を阻もうとします。しかし、体は栄養が欲しい。
これを繰り返す悪循環に陥り、摂食障害として治療が必要になってきます。
食べ物がほとんど食べられなくなる拒食症、極端に食べてしまう過食症があるのですが、両方を繰り返す場合もあります。誰でも多少の食事制限や食べ過ぎはあるものですが、それが度を過ぎて止まらなくなれば、もはや治療の対象となります。
摂食障害の状況によっては精神的に追い詰められ命の危険もある!
下剤ダイエットから過食になる可能性は大きいのですが、そこからさらに進んで拒食症まで出てくる場合もあります。拒食症では、体重が極端に減り女性ならば生理が止まるなどの体の不調が出ることもあります。
逆に過食だけならばいいのではないかと思うかもしれませんが、食べたことへの後悔から精神的な症状が出る場合があります。
摂食障害が必ずしも下剤ダイエットから始まるとは限らないのですが、女性の場合、どんなダイエット方法だろうが「痩せたい」「痩せた方が綺麗」などの思いによるストレスから発症するパターンは多いようです。
太らないように食事制限を行うのが厳しい為に、がまんできなくなるとどか食いし(過食)、その罪悪感からまた極端な食事制限をしたり、下剤を飲んだり、中には無理に吐くと言う方法でのダイエットに陥る人は、多くいるのです。
その中で拒食症になっていき、特に拒食症が止まらない場合は、命の危険にまで及ぶことがあります。
そして摂食障害に陥った場合、精神的な問題も含まれることが多いため、体験談を見てもわかるように治療にはかなりの年数がかかることがうかがえます。
下剤を使ったダイエットは痩せるがオススメできない!過食にも要注意
最初にも触れたようにダイエットにはさまざまな方法があり、下剤を使ったダイエット方も一時は多くの若い女性が痩せる手段として行っていました。
もちろん、下剤を飲むと痩せる事実もあり、それをアピールする薬があるのも否めません。
しかし、下剤は元々、薬の一つです。(実際に便秘に困っていたならばともかく)健康な人が痩せる為に飲むものではありません。
下剤を使ったダイエットには、多くの危険が伴い体に負担がかかり、結果、それを取り戻そうと過食に走ることになります。そうなるとまた過食からストレスを呼び、最終的に過食と拒食を繰り返す重症な摂食障害に陥ることになります。
しかも、その治療にはなかなか本人が踏み切れなかったり、治癒に時間がかかる話も多くあります。
いくら痩せようと健康が伴わなければ、美しくなれないと思います。無理なく痩せることが、本人が一番美しく輝くことになるのです。
もし、下剤を使ったダイエットを考えているならば、一度考え直してみませんか。