髪の毛がパサパサになるのはダイエットのせい?元気な髪質に戻す方法
ダイエットにはいろいろなやり方があります。それで上手く健康で綺麗な体を手に入れることができるといいのですが、やり方によってはその人に合わず、上手く痩せられないことがあります。中にはそれだけなく、体の他の部分に影響が出ることもあります。
そんないろいろな症状の中で、ダイエットが髪の毛の状態に影響が出ているのではないか、という時があります。
髪の毛がやたらとパサパサとして艶もなく若さを感じられない、という状態の時があります。原因がわからないままシャンプーを変えても状態は良くならない、なんて言う場合、実はダイエットが関係していることがあるのです。
髪の毛がパサパサするのはダイエットが関係している?それは本当か
女性ならば大切にしたい、美しい髪の毛。それが、状態が良くなくパサパサしてしまうことがあります。酷い時には、髪の毛が細くなったり、枝毛が多くなったりしていることも。
その原因がよくわからずにシャンプーを変えてみたが、いっこうに良くならなかったり、かえって酷くなってしまった、なんてこともあるかも知れません。
生活をも振り返ってみると、その時にダイエットをしていたと気づく。実は、このダイエットが原因だった、ということがあるのです。
本当なのか心配になる人も多いでしょうが、実はダイエットが原因で髪の毛の状態が悪くなることはあるのです。
どうしてでしょうか。
ダイエットが髪の毛に良くない理由
- 食事制限が過度になっている。
- ダイエットの為に食べる食品が偏っている。
もちろんダイエットそのものが悪いというわけではなく、ダイエットのやり方や程度が問題のこともあります。食事制限により、体にきちんと栄養が届いていないということが問題になるのです。
まず髪の毛に栄養が届かないとどういう状態が起こるのか、整理してみます。
髪の毛に栄養が届いていない状態
- 髪の毛がパサパサになっている。
- 枝毛や切れ毛が多い。
- くせ毛になってしまっている。・くせ毛が酷くなっている。
- 毛先が白くなっている。
- 白髪が増えている。
- 髪の毛が細くなっている。
傷んでしまった毛は、一度切るしかありません。
それで済むならば、まだいいのかもしれません。抜け毛が増えてきたら、本当に「ヤバイ」です。
ダイエットによって髪の毛がパサパサしたり、細くなってしまうのは本当なのです。
ちなみに爪の状態も栄養が摂れているかどうかの目安になります。
どうしてダイエットの食事制限が髪の毛のパサパサに影響が?
ダイエットは多くの場合、食事制限をする方法で行っていると言えます。もちろん、まったく食生活を変えずに運動などでダイエットを成功させている人もいますが、多くの場合、摂取カロリーより消費カロリーの方が多くなるよう、食べ物を減らしたり、食べるものを変えたりします。
それが専門家の指導の元に行っていれば大丈夫なのですが、そのほとんどが自己判断や聞きかじりの知識を元にして、本来必要な栄養をしっかりと摂れるようにしているとはいえない食事内容で行っています。
本やテレビなどでダイエット情報を手に入れることも多いでしょうが、大切なことまで上手く伝わらなかったり、いい情報でも自分が気になる部分や自分の都合のいい部分だけを記憶すれば、やはり上手にダイエットの方法を使いこなせているとは言えないでしょう。
そうするとどうしても栄養が足りなくなり、体の末端に影響が出てきてしまいます。
特に40代以降になればなるほど、加齢による新陳代謝の衰えも出てきます。また、栄養の消化吸収率も下がってきます。そもそも痩せにくい体になっているのです。
その為、さらにダイエットでの食事制限を自分流に行ってしまったり、過度に行ってしまうことがあります。それにより、更に栄養の摂取低下を起こします。
全ての人がそうだとは言いませんが、制限された食事内容だと充分に足りているとは言えない栄養量、そして、年代によっては加齢による代謝の低下が、髪がパサパサになる形で表れるのです。
髪の毛にも栄養は必要!足りなければ当然パサパサになってしまう
髪の毛は、たんぱく質で作られています。キューティクルは髪の毛の一番外側のことを言うのですが、これも同じでケラチンというたんぱく質が主成分になります。
人間の体は水分も多いのですが(70%ほど)、たんぱく質も20%ほどを占めています。
たんぱく質とは、アミノ酸からできています。食品から摂取したたんぱく質は、一旦アミノ酸に分解されるのですが、体を作る時には改めてたんぱく質に合成されます。
その為、たんぱく質を必要量摂らないと髪の毛まで栄養が届かないことになります。
たんぱく質をはじめとする栄養をしっかり摂る!髪の毛にはそれが大切
ダイエットの場合、食事制限や偏った食べ方を推奨することがあるのですが、一度自分が何を食べているのかを振り返り、どんな栄養が足りていないのかを考える必要があります。
髪の毛を作っているのはたんぱく質とは説明しましたが、実際にはいろいろな栄養素も必要です。
ですので、たんぱく質だけではいけないのですが、まずは髪の毛を作っているたんぱく質を摂ることから考えます。
髪の毛によい食べ物(たんぱく質)
- 肉類
- 魚類
- 卵
- 大豆製品
- 乳製品
- わかめやひじきの海藻類
- 玄米
- ごま
- ナッツ類
- 緑黄色野菜 など
昔はわかめは髪の毛が黒くなるとよく言われていた通り、わかめが入った味噌汁は髪の毛には、とてもよい食べ物です。
カロリーが気になるなら、低カロリー高タンパクの食べ物をお勧めします。
たんぱく質には、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があるのですが、植物性は吸収されにくい性質を持っています。
また、動物性たんぱく質は必須アミノ酸を含んでいます。必須アミノ酸とは、体で作ることができず、食品から摂る必要があるアミノ酸のことです。それらを考えると、できれば動物性たんぱく質を取った方が効率よくたんぱく質が摂れます。
ただし、動物性たんぱく質を摂る際、食品の摂り方を間違えると脂質を摂り過ぎてしまうことがあります。
また、たんぱく質の摂り過ぎは、分解過程において肝臓や腎臓に負担をかけ過ぎて内臓疲労を起こしたり、シュウ酸や尿酸の増加により尿路結石を起こす可能性が出てきます。
摂り方によっては、病気になったりダイエットを台無しにしてしまいかねないので、気をつけなければいけません。そう考えると難しいでしょうが、ダイエットを行っている人には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を上手にバランスよく摂るのが一番です。
たんぱく質だけでは不十分!ミネラルもバランスよく摂る必要がある
上記では、たんぱく質は一旦体の中で分解されたアミノ酸から作りなおされると説明しましたが、その際にはビタミンをはじめとする様々なミネラルが必要になります。ですので、たんぱく質を摂取しただけでは意味がありません。細胞の新陳代謝を良くする栄養が必要ということになります。
また、栄養素は体の中をめぐる際には血液として流れるので、血の流れが良くなければ、しっかりと末端の髪の毛まで必要な栄養素が届かないことになってしまいます。そのため、栄養素もただたんぱく質を作る時に必要なだけでなく、血の流れを良くするような栄養素も必要になります。
最終的に髪の毛(もちろん、それだけではないのですが)に栄養がきちんと届き、綺麗な髪を作るのに必要な栄養はこれらになります。
栄養素 | 多く含まれている食品 |
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亜鉛 | レバー、牡蠣、煮干し、チーズ、ごま、カシューナッツ 抹茶 切干大根など |
ビタミンB6 | にんにく、香辛料、肉類、魚類、米ぬか など |
ビタミンC | アセロラ、のり、ゆず、赤・黄ピーマン、キウイ など |
ビタミンE | アーモンド、卵黄、落花生、抹茶、いくら など |
ビオチン | レバー、落花生、きくらげ、ヘーゼルナッツ、大豆製品、まいたけ など |
亜鉛は、たんぱく質を作るのに必要な栄養素です。ただ亜鉛は、ストレスで消費されたり、アルコールの分解にも使われてしまいます。ストレスを溜めやすかったり、アルコールをよく取る人は要注意です。
ビタミンB6は、たんぱく質を作る時に必要な栄養素です。また、髪にも大きく影響を与える女性ホルモンのエストロゲンの分泌も促してくれます。
ビタミンCは抗酸化作用があり、またコラーゲンの合成にも必要です。これにより、頭皮にハリや弾力を持たせます。ストレスに対抗するホルモンの分泌にもビタミンCは欠かせません。
ビタミンEは抗酸化作用があり、血管や肌の老化を防ぎます。もちろん髪の毛を作る細胞、毛母細胞を作る際にも必要です。
ビオチンは、ビタミンB群のひとつで、髪や頭皮の健康には必要な栄養素です。ビオチンが足りないと、パサパサだけでなく白髪や抜け毛にもなりやすいです。
油分は摂りたくないといっても実は脂質も大切!上手に摂取する
また、ダイエットを気にする場合、多くは脂質をも抑えた食生活になっています。
しかし、脂質も髪の毛には大切な栄養素になります。
油分ですが、実は種類が多くよくわからない、という人もいます。
飽和脂肪酸 | 常温で固体の場合が多い。動物性の油に多く含まれる。 |
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不飽和脂肪酸 | 常温で液体の場合が多い。植物性の油に多く含まれる。 |
この中の不飽和脂肪酸ですが、その中からさらに細かく分類されます。多価不飽和脂肪酸(体内で作れない)と一価不飽和脂肪酸(体内で作ることができる)とに分かれます。
不飽和脂肪酸の種類
オメガ3系脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸になる。α-リノレン酸、EPA・DHAなど。 |
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オメガ6系脂肪酸 | 多価不飽和脂肪酸になる。リノール酸、γ-リノレン酸など。 |
オメガ9系脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸になる。オレイン酸、パルミ、トレイン酸など。 |
具体的に言うと、このような食品が対象になります。
オメガ3系脂肪酸 | えごま油、亜麻仁油、さばやいわしなどの青魚 など |
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オメガ6系脂肪酸 | コーン油、大豆油、綿実油 など |
オメガ9系脂肪酸 | オリーブオイル、べに花油、なたね油 など |
飽和脂肪酸 | パーム油、ココナッツオイル、バター、ショートニング、ラード など |
では、脂質として何を摂ればいいのか、という話になるのですが、やはりこの中でどのタイプか1つに絞らなければいけない、というわけではないのです。
よくDHAやEPAが多い青魚を食べた方がいいという話やオリーブオイルは体にいいという話を聞いたことがあるはずです。ここを見ると、どちらも同じタイプではありません。
栄養面以外にもできることはある!髪の毛がパサパサにならないために
パサパサになった髪の毛を手入れするのも、ダメージを喰らった髪の毛をいたわる方法の一つです。
ダイエットしていなくても普段から髪の毛のお手入れはするものでしょうが、ダイエット中こそしっかりといつも以上にお手入れするようにしましょう。
ダイエット中もマッサージなどのできることはたくさんある!
確かに美しい髪の毛を復活させるのには、先に説明したとおり栄養をきちんと摂り、それを髪の毛の根元の細胞、毛母細胞に届けなければいけません。新陳代謝を上げるという意味でも栄養を摂ることも効果を上げることになるのですが、できれば栄養面以外でもできることはやるべきでしょう。
- ダイエット中は、特に栄養が髪の毛に届きにくいことを知って様子を見る。
- 頭皮のマッサージをする。
- トリートメントをしっかりとする。
- シャンプーを見直す。
- 美容院へ行って傷んだ髪の毛をカットしてもらう。
- 紫外線を防止する。
例えば、頭皮のマッサージも血の流れを良くする方法の一つです。栄養摂取とあわせて、いろいろとやってみるといいでしょう。
髪の毛の回復もだが普段からパサパサにならないよう予防もしておく!
他にも紫外線は髪の毛に損傷を与えたり、シャンプーが合わない人もいるかもしれません。
人によって相性は違うとは思いますが、髪の毛の為にも基本的なことをここに挙げましたので参考にして、自分の髪が元の艶やかな美しい髪になるように気をつけるのが一番です。
また、一度傷んだ部分は直りません。ですので、先ほど記載したとおり、傷んだ髪の毛はカットして綺麗にし、改めて摂った栄養で新しく綺麗な髪の毛が生えてくるように努力する方がいいです。
ストレスも髪の毛に良くない!ダイエットがストレスにならないように
人間、誰しも大なり小なりストレスを持っています。これはもはや避けられないものと言えます。しかし、このストレスが髪の毛に影響を与えることもあります。
ダイエットがストレスの要因となって髪の毛がパサパサになることもあります。酷い時には、髪の毛が薄くなったり円形脱毛症になることさえあります。
円形脱毛症は、体質もありあくまでストレスは切欠でこの場合にまでなればまた話は変わってきますし、状況によっては治療が必要になります。もちろん、自然に治癒することもあります。(ただし、再発することも多いようです。)
程度の差はあれダイエットが必要以上に本人にストレスを課すようならば、髪の毛が薄くなったり脱毛するようになってしまいます。放置しない方がいいのは確かです。
病院での治療まではいかないでも、やはりダイエット方法を見直し、髪の毛に栄養が届くよう食生活から改善する必要があるのは、頭に入れておいた方がいいでしょう。
ダイエットもやり方はいろいろ!髪の毛も健康な方法で痩せるのが一番
最初にも触れたようにダイエットにはいろいろな方法があります。また例えば、夜遅くまで仕事をする人に21時以降の食事がいけないというダイエット方法は難しいなど、人それぞれ体質や生活によってもダイエット方法との相性があるはずです。
体格や体重、生活形態などは個々で違うので、ダイエットに合わせたたんぱく質やミネラルの摂取量の具体的な数字は、専門家に個々で相談するのが一番でしょう。
ただ、知っておいた方がいいのは、やはり極端な方法は体の不調を招くことにも繋がります。その一つとして、髪の毛がパサパサするなどの症状が出る、ということです。
もちろん、食事を変えたから明日からすぐに髪の毛の状態が良くなるものではないので多少なりとも時間はかかりますが、まずは栄養をしっかりと摂ることが大切だと知ることから進めていけたらいいのではないでしょうか。