ただいま流行中のダイエット、本当に効果があるのはどれ?
そのダイエット、何回目ですか?『こんどこそ痩せる!』『楽して痩せる!』などのうたい文句につられて初めてみたものの、あえなく失敗…。をくり返していませんか?
そのダイエット方、なぜやせられるのかメカニズムを説明できますか?また、その詳しい説明を読んだり聞いたりしたことはありますか?冷静に考え直してみると、ほとんど理解していない!という人もいるのでは?
流行のダイエットには、なぜ痩せられるのかがはっきりしていないものが意外と多いのです。流行もののダイエットに手を出す前に、そのへんをしっかり調べてみましょう。
科学的根拠ゼロ?!流行のダイエットは個人の『体験談』がほとんど
ダイエットは様々な方法が出回っています。女性向けの情報番組や雑誌は、つねに新しいダイエット方法を紹介しています。最近は働き盛りの男性もダイエットに熱心なようです。ビジネス本では、ダイエット方法や太らない食事方を指南するものが次から次へと出版されています。
ただ、これらの本にはひとつ気になることがあります。
本の執筆者が医師や栄養師などの専門家ではなく、プロのアスリートや一流企業のCEOやビジネスマンが多いということです。
たとえば、少し前まで人気だったバターコーヒーはアメリカの大物企業家、デイブ・アスプリーが発明したものです。デイブ・アスプリーは15年にわたって体によい食べ物やダイエット方法を研究しました。その結果、15kgのダイエットに成功したそうです。
大物企業家が成功しただけあって、彼の書いたダイエット本は大ヒットしました。痩せたという声も多く聞かれるのですが、その一方でエビデンスに乏しい、都合のいい研究結果しか出していないなどの非難の声も聞かれます。
有名人がまちがったダイエット法をひろめることで、健康を損なう人が増えてしまう、という厳しい意見もありました。
体質は人それぞれ。やせられるとは限らない。危険なダイエットも!
他にも有名モデルが愛用して人気になっているダイエットサプリやダイエットの料理本もいろいろ出回っていますが、やはり確かな医学的根拠が示されているものは、ほとんど見当たりません。
流行のダイエットの中には、三食のうち一食を特定の食品だけにしたり、食事の内容をある食材をメインにした『おきかえダイエット』も多く見受けられます。
しかし、食事を特定のものだけに絞って食べていると、栄養不足になる可能性があります。
さらに、食べ物は人によっては重篤なアレルギー症状を引き起こすことがあります。有名人がやっているからといって、食事方をそのまま真似すると、健康を損ねる恐れがあります。やってはいけないとは言いませんが、体調の変化に気をつけながら、慎重に実行しましょう。
セレブに人気のグルテンフリーダイエットも科学的根拠は乏しい
グルテンとは、小麦粉を水で練ったときに出る粘りのある物質で、成分は主にタンパク質です。グルテンフリーダイエットは、海外の女優や有名モデルが実践していることで人気に火がつきました。グルテンフリーダイエットは、もとはセリアック病の患者のための食事療法でした。
そして、グルテンフリーの食事を続けた患者の中に、減量できた人がいたのです。
グルテンにふくまれるグリアジンは食欲増進作用があるため、グルテンフリーの食事をしたことで無理なくダイエットできたのではないかと考えられています。さらに、グルテンに含まれるアミロペクチンAという物質が血糖値を下げる効果があるとされ、肥満を防ぐことができると注目されました。
しかし、グルテンを除去したから痩せたという確かな科学的根拠はでていません。
全体の糖質の摂取量が減ったために痩せた可能性や、他の食べ物との組み合わせで低カロリーにできた可能性もあるので、グルテンを除くだけで痩せたという証明は、いまのところできていないのです。
セリアック病や小麦アレルギーを持っていない人が、無理にグルテンフリーダイエットをする必要はなさそうです。
効果なし?!地中海式ダイエットの論文が撤回された理由とは
オリーブオイルを使って野菜や魚介類を食べる地中海式ダイエットは、2013年に、その健康効果を証明する論文が発表されたことをきっかけにブームがおきましたが、最近になって再び注目されています。
日本の有名イタリアンファミリーレストランのホームページにも健康的な食事方として紹介されています。しかし、2018年6月にそ式ダイエットの研究論文が一部撤回されたことが明らかになました。
理由は、一部のデータの摂り方に公平性を欠いていたことでした。
さらに、地中海式ダイエットはお金持ちのダイエット法ともいわれ、食材の質で効果が左右されるとも言われています。
科学的根拠も覆されてしまうとは…。一体、何を信じたらいいの?という声が聞こえてきそうです。流行のダイエットがすべてダメ、ということではありませんが、まずは自分の体調や体質とじっくり相談するところから始めましょう。
ダイエットは長い目で見て、無理なく楽しみながら続けていけるものを探しましょう。